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【映画レビュー】ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

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ネタバレ無し

「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」は「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第2作目。
「ハリーポッター」シリーズと世界観を共有する「魔法ワールド」シリーズの作品でもある。

世界中で大ヒットした映画なので絶対に見るべき作品なのだけれど、良い点は見ればわかるので今回は悪い点にフォーカスしてレビューしてみたい。

INDEX

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あらすじ

今度の舞台は、ロンドンとパリ。 イギリスにもどってきた魔法動物学者の主人公ニュートは、強大な敵の魔法使い、グリンデルバルドが逃げ出したことを知る。
魔法界、そして人間界をもおびやかしかねない彼を追い、ダンブルドア先生とニュートがタッグを組み、ニュートの仲間、魔法動物(ビースト)たちとともに、一同はパリへと向かう。

公式ホームページより引用
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』オフィシャルサイト

監督

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監督は前作から引き続き「デヴィッド・イェーツ」

ハリーポッターシリーズも監督した経験があり、魔法ワールド作品は彼以外に考えられない。

登場人物

ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)

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本作の主人公で魔法動物学者。

ティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)

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アメリカ合衆国魔法議会の職員。

リタ・レストレンジ(ゾーイ・クラヴィッツ)

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ニュートの同級生で、ニュートの兄テセウスの婚約者。

アルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)

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後のホグワーツ魔法魔術学校の校長。

クリーデンス・ベアボーン(エズラ・ミラー)

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強大な力を秘めた謎に満ちた少年。

ゲラート・グリンデルバルド(ジョニー・デップ)

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伝説的な闇の魔法使い。

感想

ファンタスティックビースト第2作目。舞台はニューヨークからパリへと移り、ハリーポッターシリーズを絡めた深みのある物語を展開している。
VFXを多用した魔法生物の迫力ある描写は健在。ものすごく面白かったのだが、前作はもとよりハリーポッターシリーズ全作品を視聴していないとストーリーが全く理解できない事が玉に瑕か。

前作はもとよりハリーポッターを見ていないと何もわからない

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シリーズ物の宿命なのだけれど、前作を見ていないと何をやっているのか全く分からない。
しかし、この作品はそれが輪にかけてひどく前作はおろかハリーポッター全作品を見ていないと全てが理解できないのだ。

例えば、終盤に重要なキャラクターの素性が明らかになるのだけれど、それが何を意味するのか全く分からない。
用語が分からないと、説明シーンがあっても何を言っているのかちんぷんかんぷんという事態になりかねない。

魔法ワールド作品を見たことがない人は少なくとも前作を見てから見ることを強くおすすめする。

キャラクターが多すぎてそれぞれのエピソードが浅い

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これもシリーズ物の宿命なのだけれど、シリーズが進むにつれてキャラクターがどんどん増えていってしまう。
増えていったキャラクターの内面を深堀するには尺が足りないので、結果としてキャラクターが浅く見えてしまう。

個々のストーリーを見せるにも時間が足りないので展開が急だと感じることも多い。
例えば、ニュートとリタそしてテセウスは、自分の同級生が兄の婚約者になるという結構衝撃的な展開なのだけれどモヤモヤしているうちに終わってしまう。
クリーデンスもらラブロマンスシーンがあるのだけれど、唐突に好意が大きくなる急展開に感じた。

次回作以降にキャラクターが深堀されて深みが出てくるのだろうけれど、現段階ではモヤモヤしただけで終わった。

パリである必要性が薄い

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物語の舞台である1920年代後半のパリはエコール・ド・パリと呼ばれる歴史上最もパリが魅力的になった時代だ。
モンパルナスという地域に世界中から芸術家が集まり創作活動に勤しんだ芸術の時代。
ピカソ、シャガール、ダリ、サルトルなど名だたる芸術家がパリに住んでいたのだ。後には岡本太郎などもパリに移り住んでいる。

そんな時代にも関わらず、この作品ではパリをそれほど魅力的に描いていない。
というよりも、パリのシーンが少ないのだ。

物語の中盤まではロンドンやホグワーツのシーンが多く、終盤はある場所にフォーカスされているのでパリのシーンは本当に少ない。
パリの町並みは途切れ途切れに挟まれる感じになってしまっている。

ファンタスティックビーストには作品ごとに世界の大都市を巡るというコンセプトがあるのでこのパリの扱いは少し残念だった。
予告編でも有名な、ニュートとダンブルドアがセントポール大聖堂の上で会うシーンがあるのだけれど、そういうシーンがパリでも欲しかったと思う。