【映画レビュー】アリー/ スター誕生
ネタバレ無し
「アリー/ スター誕生」は1937年の「スタア誕生」の4度目のリメイク作品。
世界的スター歌手「レディー・ガガ」が主演を務める。
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あらすじ
音楽業界での成功を夢見るアリーが、国民的ミュージシャンのジャクソンにその才能を見出され、華やかなショービジネスの世界で愛と挫折を経験しながらやがてスターへの階段を駆け上がっていく物語。
公式ホームページより引用
映画『アリー/ スター誕生』オフィシャルサイト
監督
監督は何度もアカデミー賞にノミネートされている名俳優の「ブラッドリー・クーパー」
また、主演も国民的歌手「ジャクソン・メイン」役で主演を兼ねている。
監督は今作が初だが製作総指揮を担当した映画はいくつかあり製作側が全くの初めてというわけではない。
登場人物
ジャクソン・メイン（ブラッドリー・クーパー）
国民的歌手。聴覚異常の障害が年々悪化していることで歌手生活に不安を抱きアルコール中毒でドラッグ中毒になる。
アリー（レディー・ガガ）
歌手を目指す女性。バーで歌っていた時にジャクソンに見いだされる。
感想
名作スター誕生の4回目のリメイク作品。レディーガガの演技がとにかく素晴らしかった。今作が映画初出演とは思えないほどの真に迫った演技だった。
アリーとしての歌声やパフォーマンスは圧巻の一言。ブラッドリークーパーも監督主演と大活躍だった。往年のスターという役柄を見事に演じていた。
バックステージからのアングルが多かった、というよりも意図して舞台裏だけで映画を構成していたのだと思う。そのおかげでヒューマンドラマに焦点を当てられたと思うのだけど、観客目線が無かったので映画全体が単調に感じた。
レディー・ガガの演技がとにかく素晴らしい
レディー・ガガの演技は本当に素晴らしかった。映画初出演とは全く思えない真に迫った演技。
ライブシーンなどのパフォーマンスは圧巻の一言だった。歌唱力は圧倒的でダンスもレディー・ガガのMVのような映像美でミュージカルのよう。
感情を表現する瞬間は特に迫真の演技。泣くシーンが多かったのだけれど、画面越しにも感情の圧力が伝わってきてまるで洪水だった。
歌手出身としての演技力は今まで見た俳優の中で圧倒的にナンバーワンだった。
アカデミー賞候補と言われているの納得。
ブラッドリー・クーパーの歌声も凄い
レディー・ガガの演技と並んで素晴らしかったのが、ブラッドリー・クーパーの歌唱力だ。
冒頭のライブシーンから何度も何度も歌唱シーンが登場するのだけれど、そのどれもが素晴らしかった。
往年の名ロック歌手という凄みみたいなものが伝わってくる歌声に感動した。
反面、スター性が凄すぎてアルコール中毒のシーンでも普通にカッコいいと思ってしまうぐらいで、カッコよさが少し過剰だったと思う。
落ちぶれるシーンではとことん落ちぶれてほしかったと思う。
最初から最後までカッコいいのも考え物。
全てのシーンがバックステージからの目線で構成されている
本作はライブのバックステージからの視点が非常に多い。というよりほとんどのシーンがバックステージからのアングルだ。
意図してやっているはずだが、観客側からの視点は非常に少ないというより全くない。
そのおかげで、アリーとジャックの関係性や周囲の人物にフォーカスできていると思う。
スターの裏側から見ることで有名人特有の苦悩や普通の人間としての悩みなどもかなり突っ込んで描写できていると思う。
その反面、ファンや一般大衆の目線がないことで物語が単調になってしまっていると思う。
例えば、序盤でアリーが初めてジャックのステージに立つシーンなどは普通はバッシングものだがそういった描写は全くない。
YouTubeで動画が上がっていてかなりの閲覧数であることは伝えられるがそれだけだ。評判が良いとか炎上しているとかの情報はない。
一般大衆の目線が無いことで、アリーがスターとして成りあがっていくサクセスストーリーに障害が無いように感じてしまう。
音楽性の違いでマネージャーと衝突したり、レコーディングにてこずったりするだけ。
レディー・ガガの圧倒的なパフォーマンスも相まって、半ば当然のようにスターになってしまうのだ。
ストーリーの軸はアリーとジャックの関係なので本筋ではないとは思うがやはり重要な部分であると思うので、少しだけでも一般大衆の目線を取り入れてほしかったと思う。
