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前作を超えた圧倒的な完成度「クリード 炎の宿敵」

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ネタバレ無し

「クリード 炎の宿敵」は「ロッキー」シリーズのスピンオフ「クリード」シリーズの第2作目。

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あらすじ

ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニスのもとに、かつて父アポロをリングで殺したイワン・ドラゴの息子ヴィクターとの対戦話が舞い込む。父に復讐を誓ったアドニスは、ロッキーの反対を押し切り因縁の一戦に臨むことにする。試合はヴィクターの反則行為により勝利したものの、納得のいく勝利を飾れなかったアドニスは、心身ともに調子を崩してしまう。 同時に、婚約者のビアンカの出産も控え、父親になることへの不安も抱えていた。
アドニスの母親から頼まれたロッキーは、父親がいない環境で育ったアドニスに父親という存在の大切さをアドバイスする。父親となったアドニスはしばらく一線から遠のいていたが、「ボクシングが自分そのものだ」と気づき、ついにヴィクターとの再戦を決意する。
父の復讐のため、師匠ロッキーのため、愛する家族のため、そして、<偉大な父>を超えるため――。 アドニスがリングに上がる本当の意味に気づいた時、リングの先で見つけた人生の<答え>とは――。

公式ホームページより引用
映画『クリード 炎の宿敵』公式サイト 2019.1.11(Fri.)

監督:スティーブン・ケープル・ジュニア

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監督は前作のライアン・クーグラーから交代してスティーブン・ケープル・ジュニア

メジャー作品初監督であるためあまり実績がないが本作で鮮烈なデビューを飾った。

登場人物

アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)

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本作の主人公。ボクシング世界ヘビー級チャンピオン。
チャンピオンとしての苦悩と父親としての責任に悩む。

ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)

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伝説的ボクサーでクリードのトレーナーを務める。

ビアンカ(テッサ・トンプソン)

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アドニス・クリードと結婚。遺伝性の難聴を患っている。

イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)

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人間核弾頭ドルフ・ラングレン演じる元プロボクサー。
旧ソ連時代にロッキーに敗北し祖国を追われた。息子に復讐と名誉挽回を託す。

ヴィクター・ドラゴ(フローリアン・ムンテアヌ)

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イワンの息子。
父がロッキーに敗北したことで祖国を追われ母親も家族の元を去ることになった。
悲惨な境遇を過酷なトレーニングで乗り越えクリードに戦いを挑む。

感想

「クリード」シリーズ第2作目。前作も面白かったが今作はそれ以上に面白かった。主人公アドニスの結婚、ロッキーの家族との不仲、そして今作のライバルであるドラゴ親子との確執など主要なキャラクターがしっかり深堀されているので濃厚なストーリーが楽しめた。
演出も前作とは比べ物にならないほど強化されていて、特に試合前の雰囲気はスポーツエンターテイメントの素晴らしさを存分に堪能できた。文句なしの名作。
しかしながら、「ロッキー4」から繋がっている作品なのでストーリーが大雑把にでも分かっていないと意味不明になる。ロッキーシリーズのWikipediaをサラッと見るくらいでも予習してから観るべきだろう。

前作を超えた圧倒的な完成度

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今作は前作を圧倒的に超えた完成度が魅力。
前作も相当な面白さだったが、今作はそれを完全に超えてきた。

ボクシングの試合シーンは腹に響く重低音で打撃が響き、シリーズのお約束であるトレーニングシーンは壮大なスケールで感動的に描かれる。
なかでもボクシング試合はライブ感がすごい。
エンターテインメントとしてのボクシングが凄まじくカッコよく描かれていて映画館でライブビューイングを観ているかのようだった。

音楽も素晴らしく、前作から引き続いてHIPHOPを中心とするBGMはテンション爆上げ。
特にドラゴとの最初の戦いで流れる曲がカッコいい。

チャンピオンとしてのアドニス・クリード

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前作でプロデビューしたアドニス・クリードはついにチャンピオンとなる。
今まで追う側だったチャンピオンとなり追われる側となったクリードはチャンピオンとしてファンの期待に悩む。

前作はクリードが主人公とはいえ、ロッキーの存在感が大きすぎて埋没してしまっていた。
今作はチャンピオンとしてのクリードをしっかりと中心に添えて、周囲を魅力的なサブストーリーが包んでいる。

これからのクリードシリーズの本当の始まりを予感させる素晴らしい主人公だった。

ドラゴ親子の魅力的なサブストーリー

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前作のクリードのライバルはただのかませ犬でしかなかった。
戦う理由も薄くボクサーとしての強さも感じられないキャラクターとしての魅力が皆無のライバルだった。

今作のライバルであるドラゴ親子は前作とは打って変わって魅力的なライバルだ。
ロッキーに敗北したことで祖国を追われ妻にも逃げられるという屈辱を十分に味わっており、名誉挽回に人生をかけるその様は応援すらしたくなるほどだった。

クリード側もドラゴに父を殺されているため、戦うには十分すぎるほどの理由がある。

主人公の成長と魅力的なライバルという王道のストーリーを楽しめる「クリード 炎の宿敵」は完璧なスポーツエンターテイメント作品だ。